労働問題にあった場合、どのような解決方法があるでしょうか?
ここでは、①労働基準監督署等の役所を利用する、②弁護士等の専門家に相談する、③労働組合に参加して、団体交渉や争議を通して交渉する、④労働審判を利用する、⑤訴訟を起こす、の5つの方法をご紹介します。
①労働基準監督署等の役所を利用する
労働問題と聞くと労働基準監督署(労基署)を思い浮かべる人も多いでしょう。
費用を掛けることなく労働問題を解決するのには労基署を利用するのが一番ですが、労基署は、労働基準法やその関連法を会社が違反している場合のみにしか動いてくれず、対応してくれる範囲が狭いという弱点があります。そのため、賃金や残業代、解雇予告手当の未払い、最低賃金違反などに関しては取り合ってもらえますが、セクハラやパワハラ、解雇のトラブルに関しては対応してもらえないことが多いです。
労基署に相談するときは、会社が明確に法律に違反していることを確認してから向かうようにしましょう。
②弁護士等の専門家に相談する
不当解雇やセクハラ、未払い残業代など労働者のパートナーとして解決してくれるのが弁護士です。労働問題を解決するには専門的知識を交えた交渉が必要となりますが、労働問題専門の弁護士は、依頼者の利益を最優先に考えて、代理人として依頼者の主張したい内容を的確に伝えてくれます。
弁護士に相談することで、依頼者と会社の意向を調整し、柔軟な解決を図ることが期待できます。
③労働組合に参加して、団体交渉や争議を通して交渉する
労働問題に主体的かつ柔軟に取り組む労働組合に相談することも一つの手です。
労働組合は、働く者同士が助け合う組織です。会社や行政機関から独立して運営し、労働条件の改善を訴え、労働トラブルを解決することを目的としています。
労働組合で労働問題を解決しようとするなら、多くの場合、団体交渉をすることになります。団体交渉を申し入れた場合、会社側は正当な理由なく拒否することはできず、会社の責任者はこれに応じなければなりません。会社側が不誠実な態度を取ることなどをして、話し合いがまとまらなかった場合には、労働組合は必要に応じて「争議」と呼ばれる業務の正常な運営を妨げる為の直接行動をすることができます(いわゆる「ストライキ」)。
④労働審判を利用する
労働審判とは、裁判官である労働審判官1名と、労働関係に関する専門的な知識を有する労働審判員2名で構成される労働審判委員会が、労働者と会社側との間の紛争につき、適宜調停を試み、調停がまとまらない場合は事案の実情に応じた労働審判をする手続きです。原則として3回以内の期日で審理を終わらせるものとされているため、迅速な解決が期待できます。
労働審判を利用することで、会社側との話し合いがうまくいかないときは、第三者の労働審判委員会の判断を求めることが可能となります。
⑤訴訟を起こす
労働審判に対して会社から異議申立てがあった場合や、事実関係や争点が複雑であり労働審判による解決が見込まれない場合は、会社に対し訴訟を提起していくことになります。訴訟を提起した場合、費用もそれなりに掛かり、また数ヶ月から数年単位の時間が掛かることも覚悟しなければなりません。
労働訴訟は、弁護士に相談して慎重に検討することがベストな選択肢といえます。
東山法律事務所は、不当解雇や懲戒解雇、給料未払い、サービス残業、みなし労働時間制の悪用、セクハラ・パワハラなど、職場で起きる様々な労働トラブルに関するご相談を承っております。私たちは、安心して利用できる法律事務所を目指し、大阪市北区を中心に、中央区、西区、福島区、また大阪、奈良、京都、兵庫の法律相談にも対応しています。社労士や税理士、司法書士など他士業とも連携を行っております。
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