長年連れ添った夫婦が別々の道を歩む熟年離婚において、財産分与は老後の生活を左右する重要な課題です。
本記事では、熟年離婚における財産分与を有利に進めるためのポイントについて解説します。
熟年離婚で財産分与を有利に進めるポイント
熟年離婚において財産分与を有利に進めるための主なポイントは以下の通りです。
- 婚姻期間に形成された共有財産の調査
- 将来受け取る退職金の評価
- 年金分割制度を活用した老後資金の確保
それぞれについて確認していきましょう。
婚姻期間に形成された共有財産の調査
夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産は、名義が夫婦どちらのものであっても原則として財産分与の対象になるのが基本です。
夫が単独で管理している預貯金や妻がやりくりして貯めたお金なども、等しく分け合うことになります。
しかし、相手が自分の名義で口座を作っていたり株式を保有していたりする場合、ご自身がその存在を知らなければ分与の計算から漏れてしまうおそれがあります。
相手の申告に頼るだけでは財産を見逃す危険性があり、結果として受け取れる金額が大幅に減少することがあるため注意が必要です。
将来受け取る退職金の評価
長年勤務した会社から支給される退職金は高額になることが多く、老後の生活資金を考えるうえで重要な財産です。
すでに受け取っている退職金が対象になるのはもちろんですが、将来支給される予定の退職金であっても分与の対象に含められる場合があります。
ただし、将来の退職金は会社の経営状況や退職の理由などによって支給額が変動する可能性があり、その評価の計算は複雑です。
実務では、現時点で自己都合退職したと仮定した場合の金額を基準にすることが多いため、事前に会社の就業規則や退職金規程を取り寄せておく必要があります。
年金分割制度を活用した老後資金の確保
離婚後の資金を確保するためには、財産分与とは別に年金分割を行うことが重要なポイントとなります。
年金分割制度は、婚姻期間中に納めた厚生年金の記録を分割し、将来ご自身が受け取る年金の金額を増やすためのものです。
財産分与とは別の制度として扱われますが、実質的な老後資金の確保という観点から同時に手続きを進めることが必要です。
具体的には年金事務所で情報通知書を取得して分割できる割合を把握し、状況に応じて相手との話し合いや調停手続きを通じて合意を形成するなどの手続きが必要です。
離婚が成立してから5年が経過すると年金分割を請求する権利が消滅するため、期限の管理にも注意を払う必要があります。
まとめ
熟年離婚における財産分与は老後の生活を支える基盤となるため、共有財産の把握や退職金の評価などを慎重に行う必要があります。
相手のペースで話し合いを進めると不利な条件で合意してしまうおそれがあり、事前の十分な準備が交渉の結果を大きく左右します。
熟年離婚における財産分与に不安がある場合は、弁護士への相談をご検討ください。






東山法律事務所(大阪府大阪市/北区)|熟年離婚において財産分与を有利に進めるポイントとは