■ハラスメント(Harassment)とは
ハラスメント(Harassment)とは、言動によって他者に不快感を与える行為のことをいい、「嫌がらせ」や「いじめ」と訳されます。行為者に特段の故意が無くとも、被害者が不利益を被ったり苦痛を感じたりする言動はハラスメントに当たります。
厚生労働省が公表している、職場におけるハラスメントに関するガイドラインでは、ハラスメントに該当する行為として、以下のような行為が挙げられています。
①精神的な攻撃
名誉毀損や侮辱、暴言等
②身体的な攻撃
暴行や傷害
③人間関係からの切り離し
無視や仲間外れ
④過大な要求
明らかに処理不可能な量の仕事を強制すること
⑤過小な要求
本人の能力や経験に見合わない簡単な仕事を不合理に課すこと。
⑥個の侵害
プライベートに踏み込むこと
■職場で発生しやすいハラスメント
ハラスメントには様々な種類がありますが、特に職場で発生しやすいものには以下の種類があります。
⑴パワーハラスメント(パワハラ)
厚生労働省の定義によると、パワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、これらの要素をすべて満たすものをいうものとされています。
⑵セクシュアルハラスメント(セクハラ)
セクシュアルハラスメントとは、他者に不快感を与える職場における性的な言動や、職員が他の職員に不快感を与える職場外での性的な言動のことをいいます。セクシュアルハラスメントの被害者は女性というイメージが強いかもしれませんが、男性から女性に対する言動のみならず、女性から男性に対する言動や同性に対する言動もセクシュアルハラスメントに含まれます。具体的には、性的な経験に関する質問をする行為やスリーサイズのような身体的特徴を質問する行為がセクシュアルハラスメントに当たります。
⑶モラルハラスメント(モラハラ)
モラルハラスメントとは、倫理や道徳に反して、他者に不快感を与える言動のことをいいます。パワハラと異なり、部下から上司に対して、また、同期の間で行われることもあります。
■ハラスメントを受けた際の対処法
日本には、労働基準監督法を使用者側が遵守しているかを監督している労働基準監督署という機関があります。もっとも、労働基準監督署はあくまでも法令を遵守しているかということについて調査を行う機関であるため、法令違反には当たらないハラスメントのような事案では対応を断られてしまうケースもあります。このような場合には、労働基準監督署よりも幅広い労働問題についての相談を受け付けている総合労働相談コーナーに相談することをおすすめします。
また、これとは別の対処法として、職場内の内部通報制度を利用することが考えられます。内部通報制度とは、ハラスメントが起こった際に、その旨を職場内に設置された通報ルートに申告する制度のことをいいます。内部通報制度は全ての職場に設置されているとは限りませんが、自分の職場に設置されていた場合にはこの制度を活用し、ハラスメントを受けた旨の報告をすることをおすすめします。
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職場で発生しやすいハラスメントの種類|対処法も併せて解説
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